5:謎の多い大坂・堺
1月4日、獄舎から引き出された24人は、馬に乗せられ東寺の近くにあった羅城門から大坂へ牽かれて行った、と二十六聖人研究者の結城了悟氏は推測しておられます。そして、1月5日、大坂と堺で引き回され、夕方に堺のどこかの寺に幽閉された、と。(「長崎への道」p.90〜p.95,日本二十六聖人記念館発行)
しかし、京都・大坂間の距離は50キロ余り。24人を馬で牽いて行く苦労を考えると、一日で移動するには相当な距離と言えましょう。京都・大坂は「下り半日」と言われた舟で淀川を下った、とも考えられます。とは言え、24人に同伴した2人の従者も殉教の死を遂げられた以上、決定的な証言は未だ見つかっていないようです。
舟便があればそれで淀川を下りたかったのですが、私は歩いて東寺から羅城門跡を通って東に進み、伏見街道を南下した後、淀川の左岸を京橋まで辿ることにしました。
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