10:続・歩くきっかけ
当時、一時的に回復して社会復帰もしていたとは言え、病気が再び悪化する時期に差し掛かっていた家人を見続けていた私は、現在のことに気を取られ、先のことは何も考えられなくなっていました。
「病気はわたしが見る。あなたは7年先を見なさい。」メールを読み終えるや、天の父なる神のそう言う声が全身に響いた感じがしました。
以来、家人は治療の必要もなく発病前と同じように生活しており、私も7年後の自分を、それも積極的に、考えられるようになりました。
溢れる感謝を胸に、一昨年は飛行機で、昨年は自動車で、家人と二人して平和記念日の長崎を訪れました。それでも、その感謝は溢れて来て止まらない。
「この感謝を、長崎まで神様の前に運ぶにふさわしいのは、自分の二本の足なのかな。」去年の夏、自動車を運転しての長崎からの帰り道、まだ言葉にはならないものの、そんな思いが芽生え始めていました。
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